『宮沢賢治』ちくま日本文学

最近、宮沢賢治の作品を、ちびちびと読み進めている。

宮沢賢治 (ちくま日本文学 3)

宮沢賢治 (ちくま日本文学 3)

土と共に生き、石に話しかけ、農業に勤しんだ人。東日本大震災で、被害を受けた岩手県花巻出身・・・。自然の猛威に人々が負けた今、彼だったら、どう生きるのだろう?放射能に関してはどう思うのだろう?と思いを馳せながら、ページをめくる。『風の又三郎』、『どんぐりと山猫』などの有名な作品も、もちろん好きだが、私が、いちばんおもしろい、と感じたのは、『茨海小学校』。きつねの小学校に、ひとりの男性が迷い込み、「学校見学」をするお話。なんとなくちぐはぐなのだけど、狐の小学校の描写が素敵。


宮沢賢治の作品は、どれも、自然も動物も人も、同等にスポットを当てられている感じが、読んでいて心地よい。アニミズムとは、少し違うけれど、彼の優しい眼差しを感じられる。