小さな部屋

幼い頃から、「小さな仕事場」に憧れを抱いている。


例えば、デパートの有料駐車場にある小部屋。
以前は、料金のやりとりをしていのであろう、あの狭い空間にあこがれていた。


または、美術館や図書館の受付。キャンバスに向かう画家。煙草屋。
小学校の放送室、机にかじりつく作家…。


仕事、という観点から離れると、引越し先の家に向かうとき、家具の中に
座っているメイちゃんとさつき。ああいう状態。


手が届く。
目に全てが飛び込んでくる。
そういった分量が私にはあっているのかもしれない。


それでいて、外の世界とつながるための場所である、というのも絶対条件。


パソコンに向かって文章を書く、というのは、そういった事を満たしているように思う。
小さな(私のパソコンは、ほんとうに、小さい)ウィンドウに向かって私は文章を書く。
だけど、それは、情報の大海原に流されていく。

この小さな小さな場所から、世界を少しでも震わせることが出来たら…と思う。