まるで、お遊戯みたいな(ほうほう堂@緑のアルテリオ)

新百合ヶ丘にある、川崎アートセンターで行われている、イラスト×映像×ダンスの公演を見てきました。
(詳細はこちら→http://kawasaki-ac.jp/theater-archive/111124/

さいころから「本」にばかりどっぷりとはまっていた私にとって、お金も時間も自由になって、興味をもったのは「ダンス」です。


文章で物事を表現することは、どこまでを語るか、どう語るか、という配置と配分の問題になると思っています。言葉にばかり重心を置いていた私にとって、体で何かを表現するダンスは、難しくもあり、理解もできない。でも、そこが面白いです。


で、この公演。マスキングテープで床に描かれた木や花の中(公演中も、美術担当の方が、絵を描き続けていました)で、2人の女性ダンサーが踊ります。時には、舞台から消え、舞台裏の廊下で踊る様子がプロジェクターで流れたり、お客さんを引き連れて2階のカフェテリアで踊ったり、最後には、建物の外で踊っていました。浅井さんは、公演が始まる前から、マスキングテープで自由に絵を描き続けていたし、ダンサーの2人も、バタバタ廊下や外を駆け回ったりしていて、幼稚園のお遊戯の教室のように、ノビノビとした空気がいいなぁと思いました。




印象に残っているのは、マスキングテープで絵を描いている浅井祐介さんの横を、ダンサーが横切ったり、浅井さんという存在は無視しているのに、絵に描かれている木の枝にしがみついたフリのダンスをしていたところかな。なんにも関係のなさそうな仕事をしている人たちも、1つの世界の中で共存していることを、遠まわしに表現しているような…。


動物のようなダンサーの動きと、かわいらしい美術の作り出す世界が、ゆるくて、かわいくて、見ていて「こそあどの森シリーズ」を思い出しました。(こうして、本の世界に戻ってしまう悲しさ!)

森のなかの海賊船  (こそあどの森の物語 (3))

森のなかの海賊船 (こそあどの森の物語 (3))