反省しても、へこまない『本取り虫』(群ようこ)
- 作者: 群ようこ
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1994/06
- メディア: 単行本
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「目からうろこが落ちる楽しみを味わいたい」と本を読む意味を考えている群さん。三島由紀夫や、森茉莉、山田詠美の本を読んでは、その描写に「むむむ…」とうなり、「自分はここがまだまだだな」と振り返っている姿勢。決して、湿った反省の仕方ではなく、あっさりと、自分の弱さを伝えてくれる文章には、親しみが沸きます。
血肉となる読書って、こういうスタンスのことなのかも、と思うと同時に、群さんの文章を通して、それぞれの作家の人物描写の妙に、改めて尊敬の念を抱けます。