とるにたらないものもの(江國香織)

江國さんは、すっと心地よい生活が、どういったものか分かっている方なのだなという印象を受けます。


とるにたらないものもの (集英社文庫)

とるにたらないものもの (集英社文庫)

私の好きな言葉に「神は細部に宿る」という言葉があります。
細かいところにこそ、職人の技術などは生きる、という意味だと思うのですが
江國さんの、ささやかなものへの、やさしい眼差し、とてもあこがれます。


いちばん好きなのは、かばんに関する記述です。
江國さんは、大きなバックが好きだったそうですが、その後、大きなバックは必要ない、文庫本、口紅、鍵さへあればいい、という考えにいたったそうです。


私も、幼い頃から、本を2〜3冊かばんにいれてないと、不安でしょうがなかったです。
ですが、散歩することが好きになってからは、身軽であることを大切にしています。


ちなみに、かばんは、持ち主の不安を表すそうです。かばんに沢山つめている人ほど、不安を感じている傾向にあるとか…。

かばんの軽さは、その人の身軽さも表しているのかも知れませんね。


中学生のころ、初めて読んで以来、「最近、心がすさんでるなぁ」と感じたときに、読み返します。心がすさんでいるときは、家事もおろそかで、忙しくも無いくせに、忙しいフリをしているときが大半なので…。生活に対する、正しい目線を取り戻す、教科書のような存在です。





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