とるにたらないものもの(江國香織)
江國さんは、すっと心地よい生活が、どういったものか分かっている方なのだなという印象を受けます。
- 作者: 江國香織
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/05/19
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 8回
- この商品を含むブログ (46件) を見る
私の好きな言葉に「神は細部に宿る」という言葉があります。
細かいところにこそ、職人の技術などは生きる、という意味だと思うのですが
江國さんの、ささやかなものへの、やさしい眼差し、とてもあこがれます。
いちばん好きなのは、かばんに関する記述です。
江國さんは、大きなバックが好きだったそうですが、その後、大きなバックは必要ない、文庫本、口紅、鍵さへあればいい、という考えにいたったそうです。
私も、幼い頃から、本を2〜3冊かばんにいれてないと、不安でしょうがなかったです。
ですが、散歩することが好きになってからは、身軽であることを大切にしています。
ちなみに、かばんは、持ち主の不安を表すそうです。かばんに沢山つめている人ほど、不安を感じている傾向にあるとか…。
かばんの軽さは、その人の身軽さも表しているのかも知れませんね。
中学生のころ、初めて読んで以来、「最近、心がすさんでるなぁ」と感じたときに、読み返します。心がすさんでいるときは、家事もおろそかで、忙しくも無いくせに、忙しいフリをしているときが大半なので…。生活に対する、正しい目線を取り戻す、教科書のような存在です。