東京膜(渡辺ペコ)、ストロベリーショートケークス(魚噛キリコ)

都会で1人で暮らすということは、寂しさと自由さとが混ざり合った不思議な時間をすごしていることなんだなぁと、いつも思います。
誰にも束縛されない、自分の好きなときに起きて、(授業には、そこそこ出て)好きなことをする。誰にも怒られない。
だけど、何か自分の身にあったとき、頼れるのはなんだろう?


不安、とまではいかないけれど、ちょっと、周りをきょろきょろしてしまう。
そんな気持ちになった時、読む漫画がこの2つです

東京膜 (クイーンズコミックス)

東京膜 (クイーンズコミックス)

ひとつめは、こちら。私、渡辺ペコさんの絵と、妙に笑える表現が大好き。
都会の中でも、ゆるいつながり(だけど、心は、必要最低限以上につながっている)関係が描かれています。
1番好きなのは、チャコちゃんという彼氏に振られて、自棄酒をしていた女の子と、奥さんが家出してしまったサラリーマン2人がともに過ごす夜のお話。
卓球をして、汗を流して、朝一で定食を食べて帰るというストーリー。
一歩間違えれば、危ないことも起きかねないのに、名前も知らない人を信頼して、お互いの傷を癒しあう…。こういう関係、いいなぁと思います。
近すぎる人からの慰めよりも、こういった、ちょっと距離のある人に癒してもらう、という形、実は、いろんな人が必要としていることかも。


Strawberry shortcakes (フィールコミックスGOLD)

Strawberry shortcakes (フィールコミックスGOLD)

2つ目はこれ。映画化もされていますね。
初めて読んだ高校時代、私は登場人物の中で「ちひろ」がいちばん遠い存在でした。
かわいい容姿のちひろは会社では友達と思っていた同僚に、陰口をたたかれていたり、
彼氏に大切にしてほしいだけなのに、その気持ちが、強すぎて「重い」女になってしまったり…。そして、今まで大嫌いだった田舎に、思いをはせて、最後には実家に帰る。



私、上京して一人暮らしを始めてから、この漫画の中でいちばん気持ちが分かるようになったの、実は「ちひろ」なのです。自分は、こんな人間のはずはなかったのに…。小さいころは、もっと可能性にあふれていたのに…どうして、今、私はこんなところで苦しんでいるの?という気持ち、痛いほど分かります。